「英国政府Web担当によるデザインの原則」から、デザインについて改めて考えてみた

「Web担当者Forum」のサイトで、英国政府のWeb担当が作った“デジタルデザインの原則10か条”がスゴい!という記事が公開されています。
その10の原則とは? 上記のページから、項目のみ抜き出しておきます。

英国政府のWeb担当による、デジタルデザインの原則10か条の原典

英国政府のWeb担当による、デジタルデザインの原則10か条の原典

  1. まずニーズからはじめる
  2. なんでもかんでも手を広げず、するべきことだけをする
  3. データをもってデザインする
  4. シンプルにすることに心血を注ぐ
  5. 繰り返し、繰り返す
  6. 受け入れられやすいものに作る
  7. コンテキストを理解する
  8. デジタルサービスを作るのであって、Webサイトを作るのではない
  9. 一貫しているべし、単に統一するのではなく
  10. オープンにすれば、物事はもっと良くなる

これらデジタルデザインの原則10の詳しい内容については、「Web担当者Forum」の記事に解説がありますし、また原典もそこからリンクされていますので、それらをご参照ください。ここでは、「デザイン」と「design」について、自分なりに考えてみました。

Web担当によるデザインの原則、という内容のタイトルから、はじめは写真やイラストのビジュアルの扱いとか、配色のこととか、文字のフォントスタイルや行間とか、そのような内容が示されているのかなと漠然と考えていたのですが、それらは最後の原則10に出てくるくらいで(原典)、主たる内容ではありません。「Web担当者Forum」の抄訳をみれば分かるように、もう少し大きな観点からの原則となっています。

そこで「design」という言葉について考えてみました。
そういえばdesignって、日本でいうデザインと、ちょっとニュアンスが違っていたっけ、ということを思い出しました。たとえば、アメリカンフットボールのNFLの中継では、「いまのはよくdesignされたプレーですね」と解説者が話したりします。アメリカンフットボールではほぼすべてのプレーが、あらかじめ用意されているものからそのときの状況に応じて選択されます。その選択されたプレーの内容(どの選手がどう動き、ボールをどう運ぶか)をdesignといっているわけです。日本ではスポーツのプレーをデザインするとは、あまりいわないですよね。

「merriam-webster.com」のサイト(英英辞典)でdesignの意味をみてみました。
そこには、計画する、設計する、意思決定する、作り上げる、といっ言葉が並んでいます。日本で使われるより、広い概念なんですね。デザインするのは、洋服や本ばかりではない。
用例のひとつとして「エンジニアチームが、新型のエンジンを開発した」というものがあります。「designed the new engine」というふうに使われるのです。

英国政府ウェブサイトのトップページ

英国政府ウェブサイトのトップページ

そんなことをふまえつつ、10の原則に貫かれた英国政府のウェブサイト、https://www.gov.uk/を、見てみました。国民のニーズを集め、情報をまとめ、あくまでシンプルに分かりやすさを求めた結果。美しいですね。機能美ですね。
運転免許に関する案内、納税について、企業のための情報、教育行政‥‥等々、各ページのレイアウトも一貫しています。それにしても本当に画像類が少ない。

トップページが象徴していますよね。たいてい、トップページの上には、なにかしらビジュアルイメージをもってきたくなるものですが、まったくない。考え抜いた結果、そういった情報をそぎ落としていったのでしょうね。少しスクロールすると、数点の写真がありますが。
日本の政府関連のものと比べてみると対照的です。首相官邸、政府広報オンライン、電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]、政府広報 – 内閣府。それぞれ以下、7月22日現在のトップページです。少なくともいえることは、日英では、designにかけるコストがかなり違うだろうということです。

日本の政府関連サイトのトップページ、左上から時計回りに首相官邸、政府広報オンライン、政府広報 - 内閣府、電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]

日本の政府関連サイトのトップページ、左上から時計回りに首相官邸、政府広報オンライン、政府広報 – 内閣府、電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]

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